七尾湾は本州日本海側の中央、能登半島に位置する日本海側では最大級の内湾です。湾は能登島により北湾、西湾、南湾の三湾に分けられます。湾の総面積は183km2です。
北湾は比較的急深で、水深20~30mの海域が多く、北部にはリアス式海岸の穴水湾があります。西湾は水深10m以浅の海域が多く、カキ養殖が盛んです。南湾は水深10~20mの海域が多く、南部には古くから天然の良港として栄えた七尾港があります。
七尾湾は内湾地形に加えて、潮位変化が小さく潮流が弱いため、海水の交換がしにくいことが特徴です。
石川県などが行ったこれまでの調査では、七尾湾は高水温化と人間活動による有機物の蓄積等により海底が泥質化し、透明度の低下、アマモ場の減少、貧酸素水塊の頻発化など環境悪化が進んでいます。七尾湾の環境悪化の一つの要因は、海底の有機物から溶出する栄養塩類が生態系の高次の栄養段階に受け継がれず、低次の栄養段階で循環することと考えられます。環境を回復するには、海底に堆積した有機物や溶出する栄養塩類の削減が必要です。
※貧酸素水塊
水中に溶け込む酸素の濃度が、有機物の分解などにより消費されることで低下し、生物の生息に影響を及ぼすような水塊のこと。
能登の森里海研究会
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